北九州市の活性化に重点を置いた都市政策
国内外の都市・地域振興成功例と関連政策を参考にし、北九州市の活性化に資する交通インフラ建設、環境ビジネス、都市の持続可能な発展などについて調査研究を行い、研究成果に基づいて政策提言を行う。
グループ長 | 戴 二彪 |
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メンバー | ドミンゲス・アルバロ |
小松 翔 |
近年では、世界最高水準の半導体産業などを擁する台湾の対外直接投資の空間構造の変化が大きく注目されている。統計によると、台湾の対外直接投資は、対中直接投資が解禁された1993年~2022年の30年間に中国向けがずっと首位だったが、ピーク時の2010年に8割以上を占めていた対中投資のシェアは減少傾向が続き、2023年のシェアは11.4%まで低下した。これに対して、米国、ASEAN、欧州、日本などへの投資のシェアが大きく拡大している。
本研究では、台湾の対外直接投資の空間構造の変化に注目し、①地政学的な国際情勢の変動に伴うグローバルサプライチェーンの再編、②台湾民進党政権の「新南向政策」、③中国など主要投資先国における投資環境、などの視点から、変化の原因を解明するとともに、こうした変化による周辺諸国・地域(特に九州)への経済影響を分析する。
ここ数十年、中国の急速な経済発展は大気の質を著しく低下させ、国民に健康上の懸念を抱かせている。本研究では経済発展と環境悪化のトレードオフ、特に大気質への影響に注目し、2000年から2020年までの中国285都市における所得と大気汚染の関係を、新しいデータベースを用いて研究する。
中国の高所得都市ほど大気の質が良いのか、あるいはその逆なのかという疑問に答えるのが目的である。空間データ分析法を用いて、静的空間依存性と動的空間依存性の両方を考慮し、これらの変数の変遷を考察する。また、都市・地域全体で汚染と所得のパターンが収束しているかどうかも分析する。
最後に、人々の生活の質を向上させるために、いくつかのSDGsに関連する政策提言を行う。
インターネットの利用が広まるにつれ、「GDPを超える」(Stiglitz et al., 2009)尺度の利用がますます重要になり、ウェルビーイング分析が科学的研究の中で重要な位置を占めている(Álvarez & Vicente, 2023)。また、ウェルビーイングは人々の生活にとって重要な価値であり、社会の進歩の指標とも考えられる(Voukelatou et al., 2021)。そして、新型コロナウイルス感染症の拡大をはじめ、社会情勢が従来とは大きく変化する中、DXが注目を集めている。
しかし、日本と中国を対象にDXがウェルビーイングを向上させるかを定量的に示した研究はDXの代理指標としてICTの利用、およびデジタル経済指数を用いた研究など一部を除いてほとんどない。そこで、本研究はStolerman and Fros(2004)によるDXの概念を基にDX関連のパイロット政策を準自然実験として用い、日本と中国を対象に、地域DXが地域幸福度と個人のウェルビーイングを向上させるか、また向上させる場合、そのメカニズムは何かを定量的に明らかにする。