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執筆者 | 亀山 嘉大 |
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発行年月 | 2017年 2月 |
No. | 2017-05 |
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本稿では、地方公共団体の海外展開の長短や濃淡が、東アジア地域からのインバウンドにどのような影響を与えているのかを分析した。地方公共団体の海外展開の中でも、姉妹都市の提携、海外事務所の設置、職員の海外派遣、国際交流の実施などの有無や形態の違いを取り上げた。これらの効果に関して、分析対象を都道府県としてグラビティモデルを使用したパネルデータ分析を行った。分析結果から、地方公共団体の海外展開の効果は、韓国との関係では確認されなかったが、中国との関係では姉妹都市の提携年数、海外事務所の設置年数、海外事務所の設置数といった海外展開の長さと濃度のどちらでも確認され、これらがインバウンドの増加に影響を与えていることが示された。これらのことから、地方公共団体の海外展開は、一定の時間のもとで効果を発揮していることが示唆された。