刊行物
PUBLICATIONS
執筆者 | 田村 一軌 |
---|---|
発行年月 | 2017年 2月 |
No. | 2017-03 |
ダウンロード | 447KB |
人口減少社会に突入した日本において,特に地方では,いかにして人口流出を抑え,人口流入を増やすかが課題となっているようだ。これは人口という総量の決まった資源の奪い合いであり,ゼロサムゲームではあるものの,人口の減少と高齢化という現実に直面した自治体の危機感の表れとして,この課題への政策的対応が課題となってきている。日本の人口移動は,大学進学時および就職時に,地方圏から都市圏への移動が顕著に見られ,その後大学卒業時に都市圏から地方圏への還流が,少ないながらも見られるという特徴がある。したがって,前期の課題を解決する最も有力な手段は,大学進学および就職時の移動に対して働きかけることであろう。
本研究は,大学進学時の都道府県間人口移動について,その特徴を分析するものである。具体的には,都道府県間の人口移動に対して修正重力モデルを適用し,移動の特徴をとらえる。さらに,複数年次のデータにモデルを適用し,大学進学にともなう都道府県間人口移動の経年変化について分析した。