刊行物
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執筆者 | 田村 一軌 |
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発行年月 | 2013年 3月 |
No. | 2013-11 |
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その国の経済発展にとって,自動車産業の果たす役割は極めて大きい。このことは,日本を始めとするアジア諸国においても例外ではない。その一方で,増加する自動車交通は社会に様々な影響をおよぼしている。移動利便性の向上による生産性の上昇や余暇時間の増大といった正の影響だけでなく,排気ガスによる大気汚染や渋滞,あるいは交通事故といった負の影響(外部性)も見過ごすことはできない。
本稿では,日本国内における道路交通事故死者数の推移に関する数理的分析を試みる。ここでは,総人口および自動車保有台数の推移と,交通事故による死者数の推移との関連を分析するが,特に,それらの関係性についての経験則であるスミードの法則(Smeed’s Law)を当てはめることにより,日本および各都道府県の特徴を把握するとともに,今後の交通事故の動向に関する示唆を得た。