刊行物
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執筆者 | 竹内 常善 |
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発行年月 | 2006年 12月 |
No. | 2006-34 |
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途上国における中小企業問題を論じる場合,屡々指摘されてきたこととして,中間層の形成力の脆弱性や,サポーティンング・インダストリーの欠如が指摘されてきた。日本の工業化の経験は,この点でやや例外的な経緯を見せてきた。アジアの工業化の過程は有力ビジネス・グループの形成と「開発独裁」の融合型で進んできた。中国の多くの地域も,それと相似た展開を見せている。しかしながら,一部の地域では日本や台湾で見られたと同様の展開を見せている地域がある。そのように中国でも製造業における企業の形成過程にも幾つかの異質の展開があることを意識しながら,日本の援助計画や中小企業の中国での展開における問題点についての紹介を試みた。