本稿の課題はタイにおける自動車産業の形成過程を、経営形態の特性と、技術的な基礎の変容から探ろうとする点にある。ここでは、拡散型で技術適応型の経営が中心の社会が、どのような展開過程を取りうるのかについて検討し、タイの技術革新が日本型の展開に近い形で進んできたことについての紹介を試みたものである。