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東アジアの経済成長と貿易、直接投資に関する計量モデル ——タイ経済のケース・スタディ——

執筆者 木下 宗七
発行年月 2001年 9月
No. 2001-27
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内容紹介

世界銀行によって「東アジアの奇跡」とまで呼ばれるほどの高度経済成長を20 年ないし30 年にわたって続けてきた東アジアのNIES とアセアン諸国は、1997 年の7 月、通貨危機から金融危機に襲われ、多くの国が内需の減速を中心として景気後退やマイナスの経済成長を経験した。しかしながら、1999 年後半からは、東アジアのマクロ経済はダイナミックな回復基調を示している。そして、経済危機発生までの高度成長を支えてきた供給側の要因は依然として頑健であり、中長期的には、この地域の高度成長は持続できるだろうという見方がだされている。 この論文は、アジア通貨・経済危機の震源地となったタイ経済に焦点を合わせ、それまでの高度経済成長のメカニズムをマクロ計量モデルを構築して明らかにし、日米経済や直接投資受入れがタイのマクロ経済に与えた影響をシミュレーション分析の手法を使って検討しようとするものである。