刊行物
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執筆者 | 顧 林生 |
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発行年月 | 1998年 3月 |
No. | 1998-08 |
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北京市、遼寧省、山東省(以下は「三省」と呼ぶ)は、共に環渤海経済圏と東部沿海地区に属している。東部沿海地区は中国の三大地区で経済が最も発達した地域である。しかし、三省は、それぞれの地域産業構造の特徴と地域問題を抱えながら、異なる経済パフォーマンスで発展している。本稿では、地域レベルにおける移行経済の観点から三省の地域経済を類型化することを通じて、三省の市場経済移行と地域開発政策の関係を分析する。まず、世界銀行の移行経済指標(国民経済)と日本海外経済協力基金(OECF)や中国の「地域経済の市場化」を測る指標をレビューし、三省の地域経済発展パターンを類型化する。次は、この三省の地域経済発展パターンに影響を与えた地域開発政策を移行経済の観点から比較分析する。最後に、移行経済による地域経済の変容とそれによって生じた三省の典型的地域問題から移行経済による中国の全国地域問題を考察する。