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鉄鋼業国際市場変化と北九州市 産業構造変動の VARX 分析

執筆者 戴 二彪, 福重 元嗣, 土井 正幸
発行年月 1998年 1月
No. 1998-02
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内容紹介

北九州市では素材型産業の代表とも言える鉄鋼業が最も重要な産業としての地位を維持してきたが、経済のグローバル化に伴い近年においてその鉄鋼業は厳しい局面を迎えている。本稿は、北九州市の鉄鋼業についてその市内・国内・国際市場との関係をVARXモデルによって時系列的にシミュレートし、北九州市の産業構造における鉄鋼業の位置づけの変動を所得・雇用などの面で分析したものである。北九州市の鉄鋼業は市外市場に依存しているが、国内の鉄鋼需要産業の海外進出が急速に展開していることに加え、アジアの新興工業地域からの鉄鋼輸出拡大により価格競争が激しくなっている。こうした経営環境に鉄鋼業が圧迫されるにつれて、北九州市の産業構造も鉄鋼業から他の製造業にシフトしていく過程が分析された。