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北九州学術研究都市における留学生の地元就職促進策

執筆者 彭 雪、小松 翔、戴 二彪
所 属 アジア成長研究所
発行年月 2025年2月
No. 2024-02
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内容紹介

北九州学術研究都市(以下、「学研都市」という)は、2001 年 4 月に「アジアに開かれた学術研究都市」として、「新たな産業の創出・技術の高度化」を目指して、福岡県北九州市 若松区にオープンした研究開発・産学連携拠点である。この学研都市では、北九州市立大学・大学院(公立)、九州工業大学大学院(国立)、早稲田大学大学院(私立)、福岡大学大 学院(私立)が教育・研究活動を行っており、2024 年 6 月現在、約 800 名の高水準の留学生(主に「環境技術」と「情報技術」を専攻する理工系の大学院生)が在籍している。

北九州市は、留学生のために奨学金の提供、キャンパスライフのサポート、就職の支援、など様々な支援活動を行っている。しかし、留学生の地元就職率は、期待したように伸びていない。地方財政が厳しくなっている中、留学生に対する公的な支援を続けるためには、留学生の地元就職率を高めることが求められている。

本調査研究プロジェクト(実施者:アジア成長研究所(AGI)研究部)は、北九州市産業経済局未来産業推進課の委託で、学研都市における留学生の卒業(修了)後の就職地選択行動に関するアンケート調査結果から、留学生の就職地選択行動の影響要因と地元就職の促進策を探るものである。この報告書は 5 節から構成される。次の第 2 節では、アンケート調査に参加した留学生の特徴を概観する。第 3 節ではこれら留学生の卒業後の就職地選択行動を考察する。第 4 節では留学生の就職地選択行動の影響要因を分析する。最後の第5節では、学研都市の留学生の地元就職の促進策を提案する。