刊行物
PUBLICATIONS
執筆者 | 八田 達夫 |
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所 属 | アジア成長研究所 |
発行年月 | 2024年3月 |
No. | 2023-13 |
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電力自由化体制の下で日本が取り得る地球温暖化対策は、二つのタイプにわけられる。 第一は、現行の市場体制が、既存の石炭火力など、一旦稼働を停止すると、高い再起動 費用がかかる電源を有利に取り扱う規制が様々にあるので、電力市場改革を行い、再生可 能エネルギーへの投資が不利になっている現状を改めることである。 第二は、自由化された電力市場下での最も有効な地球温暖化対策である、カーボン・プ ライシング(CP)を導入することである。CP の水準は、多くの欧州諸国では 1 万円を超え ているが、日本では、289 円に固定されている。本研究は、CP に関する国際的な経験及び 経済学的な分析に基づき、今後が日本では、如何なる政策の軌道修正を行うべきかを示す。 本稿の第 1 部は、前者を、第 2 部は後者を分析する。