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『公害防止協定締結のインセンティブと効果』

執筆者 今井 健一
所 属 アジア成長研究所
発行年月 2016年3月
No. 2015-04
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内容紹介

本報告書は,平成27年度に実施したアジア成長研究所研究プロジェクトの成果です。「公害防止協定」という言葉に聞き及びのある人がどのくらいいるでしょうか。規制でもなく、経済的措置でもない、自主的取り組みとしての「公害防止協定」は,我が国の高度経済成長期に発生した深刻な公害の解決に向けて有効であったと言われています。大気汚染・水質汚濁・騒音振動といった公害の防止に向けて企業自らが取り組むことを目的として個々の工場・事業所と自治体の間で締結された公害防止協定(以下,協定)は,モデルケースと言われる協定が横浜市と電源開発(株)磯子火力発電所との間で締結された1964年から(これ以前にも6件の協定が締結されている)2005年までの間に合計約59,000件が新規に締結されています。また,深刻な公害問題を克服した経験を持つ北九州市では,同市と戸畑共同火力(株)との間で第1号が締結された1967年から2014年までの間に合計205件が新規に締結されています。