Author | KISHIMOTO Chikashi |
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Date of Publication | 2023.3 |
No. | 2023-03 |
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本研究は,台湾の代表的スタートアップ・アクセラレータの 1 つである「Garage+」(ガ レージプラス)の事例研究である。Garage+およびその母体である「時代基金會(Epoch Foundation)」(以下,基金會と略記)の事業に付随したコミュニティーの形成促進とその 相乗効果を活かした経営実態の解明を目的とする。基金會(1991 年創設)は,当初,台湾 大企業とMITとの国際産学連携の橋渡しをすることを主目的としたが,やがて若手人材育 成(Epoch School,1998 年~),そしてスタートアップ育成(Garage+,2008 年~)へと事 業内容を拡大していった。これら 3 事業は各々,それに付随したコミュニティーを派生さ せた。つまり,台湾の主要企業・経済人のコミュニティー,Epoch School のプログラム卒 業生の校友コミュニティー(後年 Epoch Family として公式化),Garage+関連スタートアッ プのコミュニティーである。とりわけ,Epoch School/Epoch Familyは,同窓会的繋がりを 基盤に,現在までに若手およびシニアの優良人材(国内外大企業のハイレベルのマネジャ ーや創業者,投資家,大学教授等を含む)の密接かつ大規模(3,000 名超)な協力ネットワ ークを形成している。Garage+も元々は校友が創業したスタートアップの支援を目的に設立 されたものである(その後,育成対象を拡大)。本研究では,基金會のコミュニティー・ ベースの発展メカニズム,すなわち,これら 3 つのコミュニティーが部分的に重複し相乗 効果を発揮している様を分析する。また,Epoch School/Epoch Family の同窓会的紐帯が一 種のコミュニティー・キャピタルを醸成し,それをベースに Garage+のアクセラレータ運 営もなされており,その手厚い支援と優良な成績に繋がっていることを解明する。