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上海市の所得格差

Author Hiroshi Sakamoto
Date of Publication 2005. 8
No. 2005-08
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Contents Introduction

経済発展と所得分配との関係は長らく議論されているが、現在でも重要な経済問題として位置づけられる。特に経済が急速に発展している中国において、この問題に対する関心は日増しに高まっている。本研究は、中国の経済発展の核である上海市を取り上げ、所得格差を分析したものである。ここでは、『上海統計年鑑』から得られた1985~2002年の所得分配の集計データを用いて、ガウスカーネルによる所得分配構造の推計を行い、所得格差の変化を分析した。推計結果より変動係数やジニ係数を計測することで、上海市の都市部の所得格差が1995年に頂点に達したことを明らかにしているが、都市部と農村部をあわせると、格差は依然拡大傾向にある。よって引き続き上海市は所得格差問題に直面していることになる。さらにマルコフ連鎖を用いた分析でも同様の結論が得られている。