PUBLICATIONS & REPORTS
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Author | 南部 稔 |
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Date of Publication | 2000. 8 |
No. | 2000-11 |
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中国は改革・開放政策をスタートさせて以来、度重なる財政改革を実施してきたが、その主旨は中央財政と地方財政の関係を明確にしようというものであった。しかし、いずれの改革にも一長一短があってなかなか思うようなシステムを築きあげることができなかった。その最大の要因は地方政府が既得権益が奪われることを恐れて、中央政府の改革案に強く反対してきたからであった。これを象徴するものとなったのが、1991年に中央政府が提案した構想に当時の広東省長であった葉選平の執拗な反対にあって実現できなかったという出来事であった。ところが、1994年から中央政府は「分税制」改革を本格的に進めることにすると、中央財政と地方財政の財源が区分され、それとともに財政支出についてもそれぞれの機能が示されることになった。現実には期待したような状況にはいたっていないが、これによって長い時間をかけて進めてきた中国の財政システムの枠組みがほぼできあがったとみることができよう。