PUBLICATIONS & REPORTS
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Author | DAI Erbiao |
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Date of Publication | 1998. 12 |
No. | 1998-20 |
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本稿は、中国における経済中心地の変容、地域間所得格差の変動、人口移動パターンの転換など諸動向の考察を通じて、改革開放以来の中国の地域経済構造の変容に与えたFDIの影響を分析した。主な分析結果は次の通りである。
1)FDIの導入は、中央集権の計画経済体制から市場経済体制への転換を加速し、経済中心地の首都(北京)一極集中から北京・上海・廣東の三極への変容に大きく寄与した。
2)外資系企業は国内の集団所有企業とともに、地域経済成長の二大牽引役となっている。外資系企業と集団所有企業のシェアが高い地域は、沿海の広東・浙江・江蘇・福建などもともと国内の中間所得水準にある諸省であるが、改革・開放以来最も目覚しい経済成長を遂げた。こうした地域の経済成長が、最初は沿海地域内の格差縮小、引いて全国格差の縮小に寄与したが、90年代に入ってからは、大規模のFDI導入に伴う沿海高所得地域の経済成長とあわせて、沿海・内陸間格差を拡大させたとともに沿海内の低所得地域との格差も拡大させた。その結果、全国格差も大きく拡大したのである。
3)中国の人口移動パターンは、沿海地域側からみると、改革・開放以前の純流出から改革・開放以降の純流入へと劇的に転換した。沿海の中にも、FDIが集中している広東、上海、北京といった3大経済中心地域は、人口流入の中心地となっており、FDIが人口の内陸から沿海への移動に大きなプル要因として働いていると考えられる。