2024年2月20日(火)にオンライン開催したAGIセミナーのアーカイブ配信を開始しました。
動画は下記リンクからご視聴いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=W2NnDGa7Cos
テーマ:学術型の経営幹部はより積極的にESGに取り組むか:経営陣の学術的経験と企業のESGパフォーマンスに関する研究
要旨:
ESG(環境・社会・企業統治)は、企業の持続的で健全な発展および価値向上を推進するためのコア・コンピタンスの1つとなり、社会経済の長期的な安定と繁栄を実現させる重要な切り口とされている。企業のESGパフォーマンスの向上をいかに促進するかは学界で注目されている重要な課題である。本研究では、経営陣(Top Management Team, TMT)の経験を基に、その学術的経験がESGパフォーマンスに与える具体的な影響や外部ガバナンス(機関投資家の持ち株比率)のモデレート効果を考察した。研究結果として、(1)TMTの学術的経験はESGパフォーマンスに有意な正の影響を与える。また、内生性の問題を考慮した結果でも頑健性が示された。(2)TMTの学術的経験は、ESGに対する有意な正の影響が主に環境と社会のパフォーマンスに現れる一方、企業統治に対する影響は有意ではない。(3)TMTの学術的経験とESGパフォーマンスの関係は外部ガバナンスによってポジティブにモデレートされる。(4)TMTの学術的経験を元に高められたESGは、企業のグリーン・イノベーションのパフォーマンスをさらに高める。本研究は、どのようなTMTの経験がESGにエンパワメント効果をもたらすのかを明確にし、ESGパフォーマンスの向上に向けてTMTの権力構造を改善するための経験的示唆を提供したいと考えている。
言語:資料・報告ともに日本語
報告者:杜 雨軒(Yuxuan Du)氏 中国 清華大学 アシスタント・リサーチャー
更新日:2024年3月26日
カテゴリ:セミナー