当研究所では所員の研究発表や情報交換のための所員研究会を開催しております。
2015年6月9日(火) 14:00~15:30
アジア成長研究所 6階 会議室
(北九州市小倉北区大手町11-4 北九州市大手町ビル「ムーブ」6階)
無料
発表者:藤原 利久 客員研究員
使用言語 発表:日本語
テーマ:『顧客からみた北九州・博多・下関港の使い易さの実態調査:北九州港の競争力強化について』
要旨:
・ 釜山では釜山港湾公社(BPA)・釜山労働組合長・ターミナル社長・物流・船社・識者から政労使協調や荷役等の調査,日本では博多・北九州・下関・苅田および阪神・東京・横浜・名古屋・水島の行政(港湾)・港運・物流・船社・荷主,茨城・仙台・新潟・金沢の行政(港湾)の調査を行った。
・ 予想通り使い易い港づくりの根底には根強い問題(経営・コスト・集荷・荷役時間及び全てに関わる港湾政労使協調)があり他港の後塵を拝している。現在は広域の3港湾(門司・ひびき・新門司),港湾運送事業法や港湾労働法及び港湾港運・労組による事前協議制の問題もあり苦しい経営を迫られている。
・ これを真摯に受け止め,政労使が協調して自助努力する必要がある。門司港は日本ではじめて共同荷役㈱等の改革を行った名門の港である。
・ 門司・博多港は2港の寄港ではお互いに50%程度を占めており,協働している強みや下関・中国地方との連携(集荷)も特長があり特別の強化が必要である。
・ しかし,ここでも博多港の影響が大きくなっており,またフェリー・Ro-Ro船の日産九州の影響にも危機感を持つべきである。対中国シームレス物流も早期対応や「ひびき港での対応」も早期に行う必要がある。
・ しかし,貨物量の多い門司港に関わる経営・コストを中心に政労使の協調や自助努力が最重要である。政労使が,危機感を共有し真摯な現状分析と改革を不退転で行う必要がある。政労使の経営・コスト・生産性等の具体的対策が喫緊の課題である。3港協働戦略はその次の段階と思う。
・ 当事者間で課題の共有と早期改革が困難な場合は早期協調のためには地元に強い思いのある第3者の調整も必要と思われる。
更新日:2015年5月22日
カテゴリ:セミナー