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第6回≪ICSEAD成長戦略フォーラム≫「九州と中国を結ぶ絆~孫文と梅屋庄吉Transnationalな生き方を学ぶ」(講師:小坂 文乃氏)を開催しました

小坂氏写真会場写真

 

 

 

 

 

 

 

今回は日比谷松本楼代表取締役副社長の小坂文乃氏をお招きし、「九州と中国を結ぶ絆~孫文と梅屋庄吉Transnationalな生き方を学ぶ」と題してお話いただきました。

辛亥革命によって清朝を倒し、中国に初めて共和制を樹立した孫文は、「中国革命の父」「国父」と呼ばれています。彼は革命準備のため生涯16回来日し、そのうち9回は九州でした。孫文に経済的支援をした日本人は多くいましたが、その中でも真の友として孫文に支援を続けた人物が梅屋庄吉です。梅屋は孫文に「君は兵を挙げよ。我は財を持って支援す」と約束し、生涯をかけて孫文の支援を続けます。梅屋は資金を集めるために映画ビジネスに着目し、現在の「日活」を創立し、日本映画文化の基盤を築いた人物でもあります。

小坂氏はその梅屋庄吉の曾孫にあたり、つい最近まで歴史に埋もれていた孫文と梅屋庄吉をはじめ日本人との関わりについて、血縁者だからこそ持っている貴重な写真・文書などの資料と知られざる秘話を交えながら語っていただきました。小坂氏が副社長を務める日比谷松本楼は、創業111年になる日比谷公園にある人気のレストランで、孫文や梅屋庄吉が度々訪れた場所でもあります。梅屋庄吉の孫娘と日比谷松本楼の三代目社長(つまり小坂氏のご両親)が結婚したことにより、現在も梅屋庄吉にまつわる資料を展示しています。2008年に中国の胡錦濤国家主席が10年ぶりに来日された際に福田前総理大臣との夕食会も松本楼で開かれました。両国首脳がかつての孫文と梅屋の友情の歴史を振り返ることにより、これからの日中の友好関係を約束しました。孫文と梅屋庄吉の友情物語は過去の話ではなく、現在にも大きな影響を与え続いているので、今のアジアにとって孫文と九州、孫文と日本の関係を知ることは重要であると小坂氏は語ってくれました。

質疑応答では、サブタイトルの“Transnationalな生き方を学ぶ”から、「梅屋庄吉はなぜこのように国際的な『グローバル人材』だったのか、またグローバル人材にとって大切なものは何か」との質問が寄せられました。それに対して小坂氏は「鎖国時に唯一国際的な窓口として海外との交流があった長崎で梅屋が生まれ育った環境が要因であり、当時の長崎人は国際的な気質があった」と答えました。また、グローバル人材にとって大切なものとして、「片目だけでなく、両目で世界を見ることが大切」と表現をしました。自分の国だけ、特定な国との関係だけを見るのではなく、もっと広い視野を持って世界を見ることでグローバルな考え方が出来るのではないかと話し、今後の日中関係をはじめとする国際関係には、この「視野を広げたグローバルな考え方」が大切だと締めくくりました。

 

更新日:2014年10月3日
カテゴリ:セミナー